<海外レポートin上海>上海電視大学で特別授業を行ってきました

2005年に京都精華大学上海電視大学と漫画の学術交流協定を結んだことを皆さんご存知ですか?
当時ニュースにもなったんですよ。
その一環として2005年以降、毎年春と秋に教員を派遣して集中特別授業を開いています。

今までヴェールに包まれていたその特別授業を、今回レポートします!


上海電視大学は、映像及びコンピュータ技術を教育する電子系大学です。CGアニメーション技術の教育に力を入れ、日本のマンガ文化を積極的に吸収されています。
それら数あるコースの中に「動漫(マンガ・アニメ)コース」があり、
今回私が担当したのは1年生の「漫画創作」という授業です。


漫画を作る工程は、
ストーリー(お話)作成→ネーム(絵コンテ)作成→
マンガ原稿用紙に下描き→ペン入れ→修正→トーン貼り→完成
となります。
今回の授業では1人2ページで、ストーリー作成から完成、そして写植(セリフ)貼り→印刷→製本までを目的とした授業内容で挑んできました。
授業日数は8日間、時間は90分×27コマの計36時間です。


そして授業初日。
私は中国語が話せませんので、通訳さんが付いてくれます。
生徒は全員で43人。男女比は五分五分でした。
初対面で程好い緊張感のある中、講師の自己紹介や授業の詳細説明等を行いました。
(ちゃっかり、えむえむもアピール)
生徒たちは初めてのストーリーマンガ作りという事で、「できるのか…」という不安も見せつつ、自分のマンガが製本される事を知ると大喜び。
さっそく制作に取りかかりました。

みんなお話作りはスムーズにいくのですが、そのお話をどういう風に2ページの中にコマ割りして、どんな構図で描けばいいのか大苦戦。
読者と作者の視点の違いや、効果的なコマ割りと構図などの講義も交えつつ、授業は進行していきます。

ちょっとマイペースなクラスでしたが基本真面目で、実作時間が経ち製本が近付くにつれ、段々とモチベーションが高まってきました。
先生に見てもらおうと並ぶもんだから、教壇の周りにはどんどん生徒の人だかりが…。
生徒43人に対して、先生1人の大変さを体感しました。
しかし、私も生徒の思いに答えようと、拙いながらも日常や授業で使いそうな中国語を勉強してきたのを活用しつつ、ディスカッションしながら、より良い作品を一緒に作り上げていきました。

そして、何とか全員写植(セリフ)も貼り、印刷締め切りまでに2ページマンガを完成させることが出来ました!


大学に印刷を頼んで、翌日。
一人一人の作品講評の後、最後の製本作業です。
表紙と裏表紙や綴じる側、ページの順番など、生徒の逸る気持ちを押さえつつ説明。

そして、無事製本できました!白黒両面印刷、全94ページ!!

みんな、お疲れ様でした!
私の厳しいリテイクにもめげずに、一生懸命よく頑張ってくれたと思います。
この経験が生徒それぞれの将来に繋がるよう、心から願っています。


そして印刷等でご協力いただきました担任のリー先生始め、
通訳の趙(ジャオ)君、関係各位の皆様、本当にありがとうございました。


えむえむでは今後も上海電視大学との提携を継続していきます。
その他にも、オハイオ州立大学(アメリカ)やモナシュ大学(オーストラリア)、北京中央美術学院(中国)、ライプツィヒ大学(ドイツ)…などなど、世界各国の研究機関と国際学術交流を行っています。


これからもマンガを通じて世界にネットワークを広げ、様々な形で発信していきますので、
またの海外レポをお楽しみに!


(BOKU@上海料理禁断症状)