第9回 国際漫画賞の受賞作のご紹介
みなさん、こんにちは。
京都国際マンガミュージアム図書班です。
今回は、エントランスを入って「マンガ万博」の右奥、1階の階段室に設置しています「国際漫画賞コーナー」の第9回 国際漫画賞の受賞作品のご紹介です。
国際漫画賞とは…
2006年の麻生太郎外務大臣(当時)による文化外交に関する政策スピーチでの「今や世界各国に現れつつある若きマンガの旗手たちに、マンガの本家本元である日本から、権威のある賞、いわば『マンガのノーベル賞』のようなものをあげたい」というアイデアから生まれたマンガ賞で、2007年に創設されました。
日本国外で制作されたマンガ作品を応募対象としています(発表・未発表は問わない)。
第9回目を迎える今回は、46の国や地域から259作品の応募があり、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、入賞10作品が選ばれました。
最優秀賞は、イスラエルの作品「The Divine(神聖なるもの)」。
(作画:アサフ・ハヌカ、トーメル・ハヌカ、原作:ボアズ・ラヴィー)
セリフは英語で書かれています。
政府の依頼を受けたアメリカ人技術者が、少年ゲリラが住む山を爆破するためにクァンロンという国に向かうのですが、ゲリラを率いる不思議な力を持った双子の少年たちと出会い、アメリカ政府と敵対することになる…というあらすじ。
少年兵の問題に対する関心が広がり、その悲惨な状況がなくなるようにとの願いを込めて描かれた作品だそうです。
優秀賞は、3作品あります。
台湾の作品「無名歌 vol.1」。
(作者:搖滾貓ROCKAT(ヤオグンマオロックキャット))
かつてバンドのリードボーカルだった主人公が、鬱々とした日々の中で忘れていたロックミュージシャンの夢を思い出す…というあらすじです。今回展示している受賞作の中では、最も日本スタイルのマンガ表現の影響を受けている作家さんかと思います。
ベトナムの作品「LONG THÂN TUƠNG(Holy Dragon Imperator)」。
(作画:グエン・タン・フォン、原作 : グエン・カイン・ズオン)
古代ギリシャの学者は、幼児の脳が情報保存ツールになりうることを発見し、時の陳王朝は非常に危険な計画をある子供の脳に保存した。時は流れ現代となり、ある少女にスポットが当てられる。突如意識をなくしたその少女に結婚することを嫌い、自らの婚礼の儀式の中止を企てた名主の娘の記憶が蘇る。
「怕魚的男人(魚を恐れる男 / Ichthyophobia)」
(作者:李隆杰(リー・ロンジエ))
作者自身の長年の悩み「魚恐怖症」をテーマにした幻想的なサイレントマンガ(セリフのないマンガ)です。
サイレントマンガですので、言葉の壁を気にせずに感覚的に楽しむことができますよ。手にとってみてくださいね。
くわしくはコチラ!
第9回国際漫画賞
日本語訳の試読版も見ることができます!
(今後、翻訳版も配架する予定ですが、時期は未定です)
ふだんはなかなか縁のない外国のマンガに気軽に出会えるのも、マンガミュージアムならでは!
御来館の際はぜひ国際漫画賞コーナーにお立ち寄りくださいませ。
(タナカツ)